
会の運営スタッフ Committee Members
ご挨拶、当会の発足にあたって / Inaugural Greetings
小倉山は古来より風趣ある山として枕草子に登場し、藤原定家がすそ野に編んだ庵「時雨亭」で撰集した和歌集は、小倉山にちなんで「小倉百人一首」の名で広く親しまれています。そして、歴史・文化といった側面も踏まえて、小倉山はこんにちの古都・京都の景観保全において重要な位置にあり、すそ野と一体になった美しい景観を保全するため、様々な取り組みが進められています。
しかし、残念ながら今の小倉山には様々な種類のゴミが大量に不法投棄されています。マツノザイセンチュウによる深刻な松枯れやカシノナガキクイムシによる楢枯れが進んでいます。その他にも様々な問題を抱えています。近年「里山」をテーマにした取り組みが活発になってきましたが「里」のない地域が多くあるように感じます。山があり、すそ野に人々が暮らしていても山と人は関わりあっていないのです。
保全とは人為的な行為に過ぎませんが、道が無く人も車も入らない山を自然そのものに委ねることと道があり人も車も入る山で保全活動に従事することは全く異なる次元の話であると考えます。そもそも自然の恩恵を受けるのであれば、自然を守る責務が我々には生じるはずです。
特に20世紀以降の飛躍的な科学技術の進歩による社会の発展は、我々に大きな利便をもたらしたと同時に後世に持ち越さざるを得ない重大な課題をもたらしてしまいました。このことは、消費してきた我々に責任があります。
昨今の環境問題全般を鑑みれば、市民一人ひとりが改善に取り組むことこそ持続可能な社会構築に向けての第一歩となるはずです。私はいま、日々の暮らしの中でできることや社会に出てボランティアとしてできることなどへの自発的な取り組みが、持続可能な社会構築を支える土台を醸成する原資になると考えています。
「環境問題は文化・文明の問題でもある」という持論のもと、小倉山においてもボランティアとして「できることから、始めよう!」の指針のもと当会を発足いたしました。我々は微弱な存在ではありますが、これまで小倉山に関わってきた個人・団体とともに小倉山の保全に力を尽くして参る所存です。どうか、皆様のお力をお貸しください。
2008年4月1日 / 1 Apr. 2008
小倉山百人一集の会 / People Together for Mt. Ogura
会長 前田興治 / Chairman, Okiharu Maeda

代表 Chairman
前田 興治 Okiharu Maeda
NPO法人 教育文化芸術振興協会 理事長
Chairman of "A.C.E", an association for the advancement of Art, Culture and Education (a registered NPO).
